法定耐用年数を経過した中古物件で融資を受けるコツ

不動産物件を購入するためには、金融機関からの融資はほぼ、必須だと言えます。現金だけで不動産を購入できる人はまず、いません。また、現金だけで投資用不動産を買ったとしても、投資効率が良くなるとは言えません。

いっぽうで、中古物件を購入しようとしても、あまりにも古いと金融機関が融資を行わないこともあります。そこで中古物件の購入のさい、金融機関から融資を受けやすい物件を選ぶにはどういったポイントを押さえれば良いのか、お伝えします。

1.法定耐用年数とは

まず、金融機関から融資を受けやすい中古物件を見抜くためには、法定耐用年数のことを知っておかなければいけません。

1-1.法定耐用年数は物件の工法や構造により異なる

法定耐用年数とは物件の工法と構造ごとに定められていて、何年間で物件の購入費用を償却できるかを示したものです。

具体的には、

  • 木造工法22年
  • 軽量鉄骨工法18年
  • 重量鉄骨工法34年
  • RC造47年

上記のように決まっています。これはあくまでも減価償却を何年間で行うかを示していて、木造工法のアパートは22年間しか人に貸すことができないというわけではありません。

例えば1,100万円で木造工法の物件を購入した場合、毎年50万円ずつ、計22年間減価償却を行うことができます。

ただし、基本的には長期間の使用に耐えうる工法の物件ほど、法定耐用年数は長くなっています。

1-2.法定耐用年数は金融機関の融資基準となっている

法定年数はあくまでも償却の目安に過ぎませんが、金融機関では、返済期間を決める際の基準として法定耐用年数を使っていることがあります。

例えば中古で築10年の木造物件を購入するときは、22年から10年を引いた数字。すなわち、12年間しかローンの返済期間を設定しないことがあるのです。

RC造物件で築10年のものを買っても、法定耐用年数がまだ37年間残っていますので、35年間の長期ローンを組むことが可能です。いっぽうで、木造工法や軽量鉄骨工法で建てられたアパートや一戸建ての場合、長期の融資が受けにくくなっています。

2.法定耐用年数を過ぎた物件で融資を受けるには

RC造物件であれば、最近は建築技術の向上もあり、築20年の物件でも長期間の融資を受けることができます。

いっぽう、築20年の木造アパートを購入しようと思ったら、残りの法定耐用年数はわずか2年だけになってしまいます。そのため、金融機関がなかなか融資を行わないこともあります。築25年、築30年ともなれば、法定耐用年数をすでにオーバーしているので、融資を断ることもあるのです。

しかし、そんな中でもポイントを押さえておけば、法定耐用年数を経過した中古物件でも、金融機関が融資を行ってくれるものがあります。

2-1.収益還元法を利用するために利回りの高い物件を狙う

まずは収益性の高い物件を探すことです。金融機関が融資を判断するさいの基準の一つに、収益還元法という方法があります。収益還元法とは、その物件が生み出す収益をもとにして、融資が適正かどうかを判断する方法です。

例えば木造物件が2,000万円で売られたとします。この物件での毎年の家賃収入が200万円であれば、利回りは10%です。したがって、単純計算で、融資した資金は10年間で回収できることになります。そのため、仮に上記の物件に融資を行ったあと、購入者がローンを返済できなくなったとしても、融資にそれほど支障をきたしません。なぜならば金融機関がこの物件を手に入れて運営すれば、高い収益が生み出されたり、他の不動産投資家に高い値段で売却できたりするからです。

単純に売却価格だけを査定の対象にするだけではなく、どの程度の収益が見込めるかを基準におくことで、融資を受けることが可能になります。

2-2.リフォームとセットで融資を受ける

最近では建築技術も向上していて、木造物件でも長期間にわたって機能が低下しないものがあります。そこで、さらに、美観や機能性などをアップさせるリノベーションをセットにすれば、新築物件同様の状態に物件を再生することも可能です。そこで物件の購入費用だけではなく、リフォームやリノベーションの費用を含めた金額での融資を申込んでみましょう。

そして、リノベーションを行い、金融機関に対して「法定耐用年数は過ぎているが、物件としての機能は十分なものを持っている」と、アピールするのです。

新築物件に負けない機能性や美観を持った物件に再生できれば、金融機関も物件の価値を認め、リフォームの費用込みで融資を行うことがあります。

2-3.耐震基準など、住宅としての機能を証明する

リフォームやリノベーションによって建物の美観と機能がアップすることは、非常に有効です。そこでもう一つ、融資を受けやすくするためには、物件の機能を客観的に証明することが必要です。例えば耐震性の高い物件にリノベーションを実施し、断熱性や防音性をアップさせます。長期優良住宅並みの機能を持たせるリノベーションを行うなどすれば、十分な機能を有する物件として客観的に審査され、融資が下りる可能性が高くなります。

美観や最新の設備を導入するだけではなく、住宅としての機能がアップするリノベーションも大変有効なのです。

3.土地の価値の高い場所の物件を買えば融資は付きやすい

もう一つの方法として、地価が高い場所の物件を購入することが挙げられます。

3-1.建物の担保価値が低くても、土地の担保価値があれば融資はつく

例えば木造で築25年、築30年といった物件は法定耐用年数を経過していると、建物の価値がほぼゼロになっていることがあります。それでも、土地の価値が十分に高ければ、土地のみで融資を受けた金額と等価値になることがあります。

例えば2,500万円の中古木造アパートが売りに出されていて、購入に2,200万円の融資を受ける必要があるとします。

築30年で建物の価値はほとんどありませんが、路線価で平方メートル単価80万円のエリアであれば、土地面積が30坪の場合の地価は2,400万円程度と計算できます。

土地の価値が融資額に近ければ、金融機関も担保価値を認め、必要な金額分の融資を行うことがあるのです。

3-2.都心の一棟アパートは狙い目

こういった土地の価値だけで融資額に等しい物件は都心で見つかりやすく、一棟アパートが該当します。近年の都心は地価が上昇していますし、人口が多いので木造の中古アパートが数多くあります。

前のオーナー、つまり、売主が高齢になったために物件を手放したいのであれば、土地の価格をそれほど気にせずに物件を売却できることもあるのです。

そこで不動産会社に聞いて、おおよその土地の価格を算出します。建物に価値がほとんどなくても、土地の価値が物件価格と等しいのであれば、それはまさに買いどきです。

たとえ物件運営がうまくいかなくても、取り壊して売却すれば融資金は回収できます。そして、金融機関からしても、リスクが低下します。ローンの返済が滞ったとしても、抵当権を設定して土地を売却すれば、融資した資金を回収できる目処が立つからです。

土地の価値が物件価格に等しい一棟アパートを見つけることができれば、購入側にとっても、融資を行う金融機関にとっても、リスクが下がって融資が通りやすくなるのです。

まとめ

たとえ法定耐用年数が既に経過した木造物件でも、収益性が高いもの、担保価値が高い土地に建つ物件を見つけることができれば、十分に融資を受けることは可能です。そういった物件を探すためには、まずは自分で土地の価格を算出する方法を身につけましょう。

そして、急ぎの融資に理解のある金融機関と普段から付き合いを持っておきましょう。

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