増え続ける空き家とその対策

不動産に関する社会問題の一つに、日本全国各地に広がる、空き家の増加があります。日本は今少子高齢化社会の影響で人口が減少傾向にあり、住む人がいなくなった家が地方を中心にはかなりの数が放置されたままになっています。

特に戸建住宅においては、年々空き家が顕著に増加しており、日本全国にある住宅のうち、約13.5%が空き家になっているとも言われています。

空き家が増加することにより様々な問題が発生しています。そこで空き家をなくすためにどのような対策が行われているのか、また個人投資家ができる空き家の活用法にようにはどのようなものがあるかを考えてみました。

1.空き家が増加することはなぜ問題なのか

まず空き家が増加すること自体により発生する、社会への影響には何があるでしょうか。

1-1.治安や防犯面、衛生面の悪化につながる

空き家が増加することで、住宅街の安全や防犯性の低下、また衛生面の悪化につながるとみられています。

放置されて管理する者がいなくなった空き家は老朽化が進み、木造住宅の場合は腐食進行しやすくなります。そのため、腐食した家が台風や地震などで倒壊し、周りの住宅の安全性に大きな影響を及ぼします。

また管理する者がいない住宅やビルは犯罪者が潜みやすい場所になります。街の中に犯罪者の根城が生まれる可能性があるのです。不法滞在者やホームレスが住み着く可能性もあります。

そして衛生面でも大きな問題を及ぼします。誰も修繕も管理も行っていない住宅は、野生動物の糞尿が溜まり、悪臭を放ったり、またウイルスを撒き散らす温床になる可能性もあるのです。

空き家が発生することで街の景観に対する影響も小さくはないでしょう。

街を綺麗に清潔に、そして安全に倒すためには空き家の存在は悪影響を与えてしまうのです。

1-2.特定空き家に指定されると、固定資産税の優遇措置がなくなる

空き家がこれだけ増えている理由として、人口減少だけではなく、税金面問題もあります。

固定資産税は住居用に使われている土地の場合、更地の場合の約1/6に軽減されます。

全く誰も使っていない空き地を所有しているよりも、空き家を放置したままのほうが固定資産街が大幅に安くなるので、家を建てたままにしている人も多いのです。

しかし2015年に改正された空家等対策特別措置法では、家が「特定空き家」に認定されると、固定資産税の優遇措置がなくなります。

もし空き家を修繕や管理せず所有しており、特定空き家に指定された場合は固定資産税が一気に大きな金額になります。

2.自治体などが推し進める空き家対策

もちろん自治体や行政でも、各地に空き家が増えている様子を黙って見ているだけでありません。空き家増加を防ぐために、

さまざまな取り組みを行っています。

2-1.空き家バンク

空き家対策の代表的なものとして、自治体が運営している空き家バンクが挙げられます。特に都心から離れた自治体では、空き家バンクというホームページを作りそこに現在空き家になっている物件を掲載しています。

空き家バンクを見た人は、格安で借りることができる住宅として空き家を利用したり、また何らかの店舗運営をするための場所として、空き家バンクに登録している家を借りたりするのです。

2-2.マイナススタートオークション

最近話題となっているのが、自治体が主催しているマイナススタートオークションです。これはなんと、落札をすると現金をもらうことができる形式のオークションです。

普通オークションといえば100万円からスタートすれば、150万円、200万円というように、入札金額を徐々に挙げていきます。

このマイナススタートオークションも、入札で徐々に値段は上がっていきますが、スタート価格が、-1000万円など「お金がもらえる」価格になっています。

オークションがスタートし、入札後-500万円で落札された場合、落札者は不動産と500万円を受け取ることができます。

この受け取ったお金は、主に建物の改修費または更地にするための費用として使われます。自治体が持て余し、活用されてない建物を民間に活用してもらうために導入した制度になっています。民間の落札者が建物や土地を何らかの施設にすることで、自治体の活性化を図る狙いがあります。

まだ件数はあまり多くありませんが、これから先増えていくことが予測されます。

2-3.リノベーションなどの補助金制度

空き家の居住用に使うための耐震補助、またバリアフリー補助などの回収に対し、補助金を支給している自治体もあります。補助金を利用すれば格安で住宅を手に入れることができて、なおかつ新築同様の状態にリノベーションすることも可能です。こういった制度を導入すれば格安で居住性の高い住宅を手に入れられます。

3.個人でできる空き家活用

個人投資家でできる空き家活用手段には、どのようなものがあるでしょうか。

3-1.古民家風カフェやコミュニティスペースにする

空き家の活用法として最も多く使われているのは、古民家風カフェがコミュニティスペースなどへの改装でしょうか。

空き家という昭和に建てられた築年数50年・60年といったものだけではなく、中には昭和以前に建てられたような築100年近い古民家もあります。

そういった今の戸建て住宅ではない魅力を持った空き家は、外装はそのまま内装を現代風にリノベーションして、レトロな雰囲気が魅力的なカフェやコミュニティスペースとして活用することができます。

3-2.撮影スタジオにする

もう一つ古民家ならではの魅力を生かした活用法として、撮影スタジオがあります。最近は女性がカメラでの写真撮影を楽しむようになりコスプレイヤーや、写真撮影を趣味としているカメラ女子が増加しています。

そういった人たちに対して、コスプレのキャラクターの背景似合う場所として民家を活用したスタジオにしたり、インスタ映えするスポットとしてリノベーションして民家を提供するのです。

スタジオは管理できていれば、大きな労働を伴わない収益を稼ぎ出す場所になってくれます。一度良い評判が立てば、スタジオには続々とリピーターが来やすくなります。

スタジオは賃貸住宅よりも旨味のある不動産投資手法と言えるでしょう。

3-3.売るのであれば早めが一番

もしどうしても空き家をこれ以上持ちたくない、税金を支払いたくないという時はすぐに売却を検討しましょう。

現在都心には人口が郊外から流入し、郊外の人口はどんどん都心へ流出しています。そのため、たとえ東京都で西部市郡では、最近は地価が下落傾向にあります。

神奈川県も東京寄りは人気ですが、西部は地価が下落傾向にあります。元々建物の価値は無いに等しい不動産が空き家ですから、郊外にある物件の場合はこれ以上地価が上がることは、まずありません。

売却するのであれば、今このときのタイミングこそが一番高く売れます。

まとめ

空き家といっても、活用しやすい空き家、活用しにくい空き家があります。中途半端に築40年50年という空き家を活用するのは、外観も魅力的ではないためなかなか難しいと言えるでしょう。そういった空き家を保有している場合は、大規模なリノベーションを施して賃貸に出すか、もしくは今すぐにでも売ってしまった方が良いと言えます。

郊外にありレトロな雰囲気が魅力の空き家であれば、持ち味を生かした改装をすることで、店舗やスタジオとしての活用法ができるようになります。

また建物を建て直すために空家を解体する場合は、自治体の補助金が利用できるケースもあるので、そこもチェックしておきましょう。

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