不動産投資は副業なのか、投資なのか

近年、会社が社員に対して副業を奨励する時代になっています。副業として取組むことで経営者としての意識や感覚を身につけることができる、人脈を広げる効果があるなど、本業にも良い影響を与えることを期待して副業を奨励しているのです。

しかし、それでもすべての企業が副業を奨励しているわけではありません。「副業に取組むことで本業がおろそかになるのではないか」と危惧する企業も存在します。

現に国家・地方公務員のいずれも基本的には副業が禁止されています。

そんな中、不動産投資は会社に隠れて行わなければならない副業なのか、それとも、投資として堂々と行うべき副業なのか、ここでは触れていきます。

1.不動産投資は公務員が取り組める数少ない副業

まず、会社の職務規定で不動産投資自体を禁止する企業は、ほぼ存在しないと言えます。副業がほぼ禁止されている公務員でも、事業に該当しない5棟・10室以内の不動産投資は禁止の対象になりません。

5棟・10室以上の運営は事業に該当するとみなされ、職場に申請して許可を得る、もしくは、配偶者や親族を代表者にして運営することが求められるようになります。

しかし、一棟ものアパートや区分マンションを数室所有するだけでは、公務員の本業に差支えがないとして認められます。

公務員の中にも親から不動産を相続し、不動産物件の運営を行なっている人はいます。また、不動産を購入して不動産投資を始める人も中にはいます。

不動産投資を一律で禁止してしまうと相続した不動産を放棄せざるを得ないため、このような決まりになっているのです。

他に公務員が認められている副業と言えば著作活動などがありますが、著作活動と同様に不動産投資は堂々と取り組める公務員の数少ない副業の1つです。

公務員であっても株式投資やFX投資が禁止されているわけではありません。

もちろん就業中に相場をチェックしてトレードを行っていれば、就業規定の違反を理由に減給などの処分を受けかねません。しかし、就業外や休憩時であれば特には問題になりません。

つまり収入を得るための活動であっても土地や株式などの資産を活用するものであれば、ほとんどの会社で禁止されることはないのです。

2.不動産投資は大抵の業務をアウトソーシングできるので労働を伴わない

株式やFXの場合、スマートフォン一つさえあれば簡単にトレードができます。そのため、労働を伴う副業ではなく、不労所得に近い形で収入を増やすことができると言えます。

ただし、株式やFX投資の経験がある方はすでにご存じでしょうが、利益を安定して出すには常に相場を見張っていなくてはいけません。

その意味では、株式投資やFX投資で安定した利益を出すために必要な時間は、けっして少ないものではありません。それどころか予想した以上に長時間に及び、勤務中に悪影響が出る可能性があるのです。

不動産投資の場合、物件を購入してから運用を始めるまでに時間がかかります。購入の意思を金融機関に伝えて融資を受け、売買契約の後に物件の引渡しが発生します。

それでも、このような作業が常時ついて回るわけではありません。賃貸に出して入居者が決まってしまえば、その後はほとんどの業務をアウトソーシングに出せます。

アパートやマンションの管理・運営は不動産管理会社に任せることができます。入居者からの問合わせも管理会社にすべて委託が可能です。そして、空室の発生後に管理会社や仲介会社に客付けを一任できます。クリーニングやリフォームも外部の業者に委託できるのです。

物件を購入するまでは内覧などのために休日を返上し、ひんぱんに通わなければいけません。しかし、一度でも購入してしまえば、実際の作業に取られる時間は非常に少なくなります。仕事中に何らかの作業に携わることはありません。購入後に行うことと言えば、基本的には意思決定だけです。

それだけに不動産投資を副業にしても、本業に差支えることなく両立が可能なのです。

もちろん不動産投資に時間をかけようと思えば、いくらでもかけられます。空室が発生してリフォームやリノベーションをしなければいけない場合、外部の業者に工事をすべて任せるのではなく、セルフリフォームによってリフォーム分の費用を節約しようとする人もいるでしょう。

休日にそういったリフォームやリノベーションの工事を行えば、本業と両立させながら手の込んだ不動産物件の運営が可能になります。

つまりは外部に任せることもでき、手をかけようと思えば本業に就きながら時間を割いて取組むこともできるわけですから、不動産投資の自由度は高いと言えます。

いわゆる相場の変動を利用した売買益で利益を得る投資の場合、他人に作業を委託できません。投資信託でも安定した利益が得られる保証はありません。

そういった投資手法と比べると一度に獲得できる利益は決して多くないのですが、時間をかけずに安定した利益を稼ぎ出すことができるのが不動産投資の良いところです。本業で稼ぎ、不動産投資で生活の余裕資金を稼ぐ。不動産投資は、まさにサラリーマンの副業に最適と言えるのです。

3.資産の活用である不動産投資は紛れもない投資と言える

副業を禁止する会社はなぜ禁止しているのでしょうか。労働を伴う副業に取り組んでしまうと、休日が休日にならないからです。例えば収入を得るために飲食店やコンビニなどでアルバイトをしていると、肉体的な労働を伴います。

企業としては休日に十分に休養を取ってもらうことで会社の業務に万全の態勢で臨み、成果を上げることを望んでいます。

休日に副業に取り組むと休息を取ることができず、本業のパフォーマンスにも影響します。そのため、副業を禁止している企業が多いのです。

しかし先に述べたように、不動産投資ではほとんどの業務をアウトソーシングにできます。よほどこだわりがあって不動産投資に望まない限り、肉体労働はほとんど発生しません。

不動産投資でしっかりとした利益を出していくには不動産に関連した本を読んだり、経済や税金を勉強したりする必要があります。不動産業界の動向や日本の景気などにも敏感になるでしょう。そういった勉強が本業に良い影響を与えることもあります。

投資とは人が働いて稼ぐのではなく、お金や土地などを活用して稼ぐことを指します。土地や建物などを活用する不動産投資は副業ではなく、まぎれもなく誰もが堂々と取り組める投資だと言えるでしょう。

投資では資産を活用し、いかに利益を上げるかを真剣に考える必要があります。会社の業務で損失を出しても、当事者である社員が責任を負うことはありません。しかし、資産を活用する投資では損する可能性は高いため、利益を得るには真剣に試行錯誤しなければいけません。

そういった感覚は会社の指揮下にある会社員ではなかなか味わえないものです。

不動産投資を行うことで会社員では味わえない体験ができ、経営者としての意識や感覚などが身につきます。

不動産投資を会社に隠すのではなく、堂々と公開するべきです。ぎゃくに、社内でいろいろな業務を任されるようになるかもしれませんし、一目置かれるようになるかもしれません。

ただし、「どのくらいの額を儲けた」などの自慢話ばかりではやっかみを受ける可能性があります。人間関係には気を配りましょう。

 

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